「人工知能が搭載された住宅」と聞いて、どんな家を想像しますか?
未来の住宅の在り方として、いま、パナソニックではAI住宅の開発を進めています。
既に普及しているスマートハウスよりも、さらに住む人にとって心地良い住空間を提案する、
AI住宅について、その特徴や利点を詳しく見てみましょう。
パナソニックが開発するAI住宅とは
AIとは
「artificial intelligence(人工的な知能)」
の文字通り、人間のように学習するシステムやソフトです。
パナソニックが開発を進めているAI住宅とは、このAIの技術によって、
快適さと安全さを住宅に予測・学習し、快適な住まいを作るサービスのことです。
AIによる住宅設備の一括管理は、既に世界中の企業で開発が進められていますが、
国内の大手住宅設備メーカー・パナソニックが、いよいよその事業に乗り出したとして、
非常に注目されています。
パナソニックのAI住宅はドイツのベルリンで2018年末に完成が予定されており、
着工は2017から開始するようです。
米IBMのAI「ワトソン」
AIには文章を作成するものや将棋を打つものなど、
その使用目的や提供するサービスは様々ですが、
パナソニックが今回使用するAIは、米IBMの「ワトソン」というAIです。
ワトソンは、様々な情報やパターン分析を行うAIとして知られており、
膨大なデータから利用者が最も望む答えを探すことを得意とします。
アメリカのクイズ番組でチャンピオンに勝利するなど、その実力は折り紙付きです。
【ソフトバンク公式HPより引用 http://www.softbank.jp】
日本でも、ソフトバンクのロボット「ペッパー」に使われ、
銀行の窓口対応における人員不足の解消、サービスの効率化などに貢献しています。
このワトソンのようなAIが住宅に導入されると、どんなメリットがあるのでしょうか?
AI住宅の機能としくみ
では以下からは、AI住宅の具体的な特徴を見てみましょう。
AI住宅には、
「居住性」「防犯性」「危険予知」
という、3つの効果があるとされています。
AIが快適な居住性を提供
センサーなどで住人の暮らしを分析し、クセや好みなどから、
住宅設備をその家の住人にとって最も適した状態に調節します。
例えばエアコンでは、過去の使い方をAIが学習し、
住人が最も心地良いと感じる温度に、自動で切り替えることができます。
防犯システムで家族を守る
防犯カメラの映像をIBMのクラウドに送り、顔情報を元にAIが不審者を見抜きます。
住人やよく訪れる知人以外の不審者が家に近づくと、自動で通報し、
外部の危険から家族を守ります。
危険を予測して知らせる
家に住む人を脅かす脅威は、空き巣などの侵入者だけではありません。
屋根裏の雨漏りやカギのかけ忘れなど、家の中で起きている異変をAIが察知し、
大事故になる前に教えてもらうことができます。

住人がとる行動の予測も細かくなり、
真の意味での快適さが得られると考えられます。
スマートハウスとのちがい
ここまでAI住宅の説明を読んで、
「HEMSで管理するスマートハウスと何が違うの?」
と疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
もはや多くの家庭で普及が進んでいるスマートハウスには、
使用状況をHEMS機器で管理する点など、AI住宅との共通点も確かに存在します。
しかし、スマートハウスはあくまで「省エネ性に特化した住宅」です。
一方、AI住宅は「快適な生活を学習して作り出す住宅」です。
・AI住宅:データを蓄積し、学習機能によって最新かつ最適な住環境づくりを目指す
もちろん、AI住宅がスマートハウスよりも省エネ性で劣るとは考えにくく、
学習機能がエネルギーの効率化を助けるであろうことは想像に難くありません。

これらの省エネ機器と併用することで、
さらに快適かつ省エネ性に優れたAI住宅になると言えるでしょう。
まとめ
AI住宅は、国内の一般住宅への導入はまだ発表されていません。
しかし、「モノのインターネット」という考え方の拡大や、
長期的な耐久性が家づくりに重視されている昨今、
AIが快適な住まいづくりに大きく貢献する未来も、すぐそこまで来ているのかもしれません。