マイホーム用の土地とするには不安を感じてしまう狭小地ですが、
その活用方法も徐々に見い出され始めています。
土地の特徴を見極めて間取りを作れば、思わぬ快適さが得られることもあるため、
狭小地だからと言って諦める必要はありません。
今回は、狭小地にマイホームを建てるときに知っておきたい、
家づくりの3つのテクニックについてご紹介します。
狭小地でも理想のマイホームは建てられる?
「狭小地」という土地の定義はありませんが、
一般的には約15~20坪以下の土地を指す言葉として用いられます。
狭小地には、以下のようなお悩みが多く挙がります。
・庭や駐車場が持てない
・間取りに制限を受ける
これらの問題をいかに解決できるかが、
狭小地でも快適なマイホームを建てるための条件と言えるでしょう。
では次の項目からは、上記で挙げた、
狭小地の3つのお悩みを解消するテクニックを順にご紹介していきます。
採光性・通風・プライバシーを守る
狭小地の多くは、周りを建物に囲まれて日光が入りづらく、
そのために風通しの悪い室内になることがあります。
また、お隣の家の窓が目の前にあるような立地では、
お互いのプライバシーや騒音も心配になりますよね。
このような狭小地の不便さを解消する方法としては、以下のような方法が多く用いられています。
採光性の工夫
・天窓や高窓を設けて部屋全体に光を取り入れる
・吹き抜け状にする
【YKK公式HPより引用 ykkap.co.jp】
風通しの工夫
・余分な間仕切り壁で風を遮らない
・吹き抜けやオープン階段の構造にして空気を循環させる
プライバシー保護・騒音の工夫
・ルーバーフェンスで目隠しを作る
・道路側に窓や玄関を設けない
・防音仕様の内装材を使用する
土地の形を活かした庭や駐車場
狭小地では、庭や駐車場に広いスペースを配分することができませんが、
エクステリアの工夫が一切行えないわけではありません。
例えば、玄関から家に入るまでのアプローチに踏み石を並べ、
周囲に月桂樹やアセビなど日陰に強い植物を植えるだけでも、
立派な庭として活かすことができます。
また、どうしても敷地内に駐車場を確保したい場合などは、
ビルトインガレージ付きの3階建て住宅にするという方法もあります。
【ミサワホーム公式HPより引用 misawa.co.jp】
ビルトインガレージは駐車スペースの分、1階の開口部が大きくなるため、
接地する場合は建物の耐久力を必ず確認しておく必要があります。
狭い土地でもアイデア満点の間取りに
狭小地に建てられた住宅からは、
様々な家に活かせる間取りのアイデアを知ることができます。
暗く奥まった場所に収まりがちな狭小住宅の浴室も、
戸をガラスにしたり、小窓を設けて中庭を見せたりするだけでも、
閉塞感のない開放的なバスルームとなります。
また、マイホームでこだわりたいポイントと言えば「収納」ですが、
狭小住宅では収納スペースを満足に設けられないことがあります。
このようなときは、掘りごたつや小上がり、階段の蹴込み部分を収納化するだけでも、
十分な収納量を確保することができます。
こちらは、収納力を備えた理想的な小上がりの施工例です。
【トラスト公式HPより引用 trust-reform.com】
そのほか、使える床部分を増やす方法として、
ロフトやスキップフロアを設けるなども、
狭小地では人気の間取りアイデアです。
設計はどこに頼むべき?
通常、大手ハウスメーカーなどは狭小地の住宅を不得意とします。
その理由は、大量の受注を素早くこなさなければならず、
プレハブ工法などを用いて工事を大幅に単純化しているためです。
ですので、様々な事情を考慮して設計してもらえる建築事務所や、
狭小地の多い地域であれば地元の工務店などの方が、
狭小住宅を得意とする傾向にあります。
まとめ
家の広さは、数字の大小ではなく、住み心地で決まるものです。
もし広い土地を持っていても、住む家族に即した家づくりを行われなければ、
快適さを得ることはできないと言えるでしょう。
その点、狭小地は使い方がある程度予測しやすく、
工夫次第では、家族にとって最も理想的な間取りとなる可能性も秘めています。
やっと見つけた土地や、予算内で買える土地が狭小地でがっかりしてしまった方も、
ぜひこの記事のテクニックを活用して、理想のマイホームを手に入れてみてくださいね。